2014年7月30日水曜日

自動車トレーサビリティの調査



こんにちは。Akihiroです。

先週いっぱいでナイスガイのTaishiが卒業してしまい、寂しい日々を送っています。


さて、今回は、インターン生が現在取り組んでいる仕事の一つをご紹介したいと思います。



ITAは「ニッポンのアメリカ事業部」として、アメリカのビジネスに関する受託調査も積極的に行っています。今回、インターン生が手伝わせていただいている調査は、「アメリカの自動車トレーサビリティの現状を把握せよ!」というものです。



ITAオフィス裏の駐車場。レクサスも見えます!!


最近でこそ時々耳にすることがありますが、まだまだ認知度が高いといえない「トレーサビリティ」
。 いったい何のことでしょうか? 

Tracability = Trace (追跡) + Ability (能力) で、すなわち追跡能力のことを指します。まだ分かりにくいですね。具体例で説明いたしましょう。



みなさんが車を買ったとします。車の購入にはかなりの決断が必要ですよね。


一日幸せでいたければ床屋に行きなさい。

一週間幸せでいたければ車を買いなさい。
一ヶ月幸せでいたければ結婚しなさい。
一年幸せでいたければ家を買いなさい。
一生幸せでいたければ、正直でいなさい。

というイギリスのことわざがあります。



昔、ある保険会社に勤めている先輩が、このことわざをちょっと変えて、


一日幸せでいたければ床屋に行きなさい。

一週間幸せでいたければ車を買いなさい。
一ヶ月幸せでいたければ結婚しなさい。
一年幸せでいたければ家を買いなさい。
一生幸せでいたければ、生命保険に加入しなさい。

と言っていたことを思い出しました。


あと気になるのは、結婚<家の順番です。幸せな結婚生活も1か月が限度・・・さすがイギリス人、リアリティを重視します。




閑話休題。


私が申し上げたかったのは、車の購入は、家・結婚に次ぐ人生の重大事、それほど車は高価であり、また日々使用するからこそ、(結婚ほどではないにせよ)慎重な選択が求められます。やっぱり一番大事にしたいのは、安全性ですよね。


しかし、「○○社の車がエンジントラブルでリコール」なんてニュースをよく耳にします。その時に役立つのがトレーサビリティ・システムなんです。問題があったエンジンを搭載している車を特定し、その所有者に知らせて、無料の修理を行う。


エンジン(部品)から所有者を追跡(Trace)できる!トレーサビリティは安全性確保に欠かせないツールです。




アメリカでのトレーサビリティ・システムは日本より進んでいると言われており、その現状を調査するため、ディーラを数社訪ねてきました。




まず、車にはそれぞれ固有のVINナンバー(車体番号)が付いています。




小生のオンボロカーです。フロントガラス右下にある
横長の四角いところにVINナンバーが書いてあります


このVINナンバーとエンジンなどの各パーツに付いているシリアルナンバーが紐づけされて、データベースに保存されるわけです。




同じく小生のオンボロカーのパーツ
シリアルナンバーが直接印刷されています


かなり細かいパーツにもシリアルナンバーが付与されています。また、ボンネット内部の動力系部品のみならず、エアバッグや電子キーなどのセキュリティ系のパーツにもナンバーが付いています。


例えばエアバッグに問題が見つかった場合、問題のあるエアバッグのシリアルナンバーから、VINナンバーを特定し、その所有者情報にもアクセスできる。


これでリコールの時も安心です。


さらに、シリアルナンバー以外にもこんなマークがついていました。



奥の方にバーコードとQRコードが見えます


我々が訪れたディーラーでは、修理担当者が専用の読み取り装置でこのバーコード・QRコードをピッと読み込むと、そのパーツの型番や性能が表示された紙(レシートのようなもの)が出てきました。それを見ながら修理しています。便利です。


しかし、問題もあります。


例えば事故でエンジンが故障し、新しいエンジンに交換する場合です。


正規ディーラーを通じて修理した場合は、データベースが更新され、新しいエンジンのシリアルナンバーがVINナンバーと紐づけされるため問題ありません。

しかし、修理代を安く抑えようと、町中の修理工場を利用した場合、データベースは更新されず、交換後の部品にトラブルがあっても、お知らせは届きません・・・・


中古車市場の発達したアメリカでは、トレーサビリティの徹底という観点から、今後改善すべき点となるでしょう。




それはそうと、我々インターンシップ生にとっては、このような調査は初めての経験で、なかなか苦労しました。相手からいかに多くの有益な情報を引き出すか、質問力が問われます。



日本人って質問下手ですよね。カンファレンス終わりで「どなたか質問のある方いらっしゃいますか」と聞かれても、すわこそと反論を展開するためだけに出席しているような方々は格別、なかなか手があがりません。



一方、アメリカでは、大学でも、みんなバシバシ質問します。


第1回の講義を欠席した生徒が、第2回の授業冒頭で教授が前回のおさらいをしていたところ


「前回欠席したから、そこのところ分からないんだけど。どうなってるの」


こんな質問、日本人にはできませんね。それでも教授は嫌な顔をせず丁寧に説明します。


ここは学びの国、アメリカです。

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